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一般財団法人 日本建築総合試験所

Q&A ・ お問い合わせ

動風圧試験のQ&A

風速○m/sの風を当てて試験できますか?
風速○m/sの風を当てて試験をすることはできません。建材等の耐風圧性能を調べる場合、一般に風を直接当てて確認するのではなく、設計風速の風を受けて生じる風圧を想定して、試験体にその圧力を加えて強度を確認します。その圧力は建築基準法に基づいて決定される設計風荷重とするのが通常の方法です。建築基準法には、地域ごとに基準風速が設定されており、設計風荷重の算定方法も決められていますので参考にして下さい。
風圧力2000N/m2はいくらの風に対応するのですか?
建物の設計仕様で風圧力が決まっている場合、対応する風速が何m/sであるかを知りたいことはよくありますが、これは簡単なことではありません。風圧力と風速には、(風圧力)≒0.6×(風速)2×(風力係数)の関係がありますが、風圧力の作用する部材が屋根か壁かによって、またそれらのどの部分に取り付けられるかによって風力係数は異なるため、風圧力と風速が常に1対1で対応しているわけではありません。したがって風力係数が決まっていれば風速に換算することができます。
水密性のグレードはいくらの台風に相当しますか?
一般に、建具や外壁の水密性能を評価する場合には、建物自体の耐風圧性能に要求される風荷重より小さい荷重が想定されていることに注意する必要があります。建具の水密性能の最高グレードはW-5(平均圧力500Pa,最大圧力750Pa)ですが、これは平均風速20m/s程度に相当します。強い台風時には水漏れに充分注意して下さい。
自然の乱気流を当てて試験をすることができますか?
ご質問のように自然風は乱れているので、変動する風荷重が建物に作用しますが、耐風性能上重要なのは変動荷重のピーク値に対して安全であることです。実際には、動的(時々刻々と変動する)荷重のピーク値(最大値)に相当する静的な荷重を与えて安全性を確認します。このような設計法を等価静的設計法といいます。建築物や建築部材では等価静的設計法が用いられる場合が多く、建材に乱流を当てて試験をすることはほとんどありません。風によって振動する部材の安全性を検討する際には、風の動的効果を考える必要がありますが、この場合には荷重の変動の大きさや速さをどのように設定するかということがポイントになります。
風速○m/sの風に耐えられるかの確認をしたいが、試験可能ですか?
このようなご質問を受けることはよくありますが、回答A1のように建築基準法に基づいて決定された風荷重に対して試験を行うことが基本になります。試験の結果、試験体の耐力に余裕があって、回答A2のように最大耐力を風速に換算して、風速○m/sに耐え得るといった表示をする製造者もありますが、この表示にはあまり意味がありません。当所の試験設備の能力として風速90m/sに相当する荷重を与えることは可能ですが、重要なことは設計荷重に対する強度を有することの表示です。

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