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一般財団法人 日本建築総合試験所

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科学研究費助成事業への研究者登録と提案研究課題の採択について

当法人の試験研究センターでは、顧客の皆さまからのご依頼を受けて実施する試験業務に加えて、以前より、多くの職員が自主的な研究活動にも取組んでまいりました。また、法人内の研究助成制度として、年度予算に組み入れて実施する「自主研究」の制度を設けており、年間5~10件程度の研究課題を掲げて、研究活動を推進してきました。
その一環として、日本学術振興会の科学研究費助成事業における研究機関としての登録を2006年11月に行い、当初12名の研究者登録をいたしましたが、科研費への申請自体はしてきておりませんでした。そこで当センターでは、2021年9月に、各職員が取り組む研究活動の更なる充実と発展を目指して、内部資格審査を経て新たに14名の研究者登録を行い(既登録者と合わせて計19名)、チームを複数形成して令和4年度の基盤研究助成へ応募したところ、以下の研究課題が採択されました。


  • 【研究課題名】 下水管路の維持管理のためのセメント系およびジオポリマー系 材料の劣化現象の解明
  • 【研究代表者】 吉田夏樹(試験研究センター 建材部 材料試験室 室長)
  • 【研究分担者】 中山健一(試験研究センター 建材部 材料試験室 主査)
  • 【研究期間】 令和4年度~令和6年度(2022年度~2024年度)
  • 【研究種別】 基盤研究(C)
  • 【研究概要】 硫酸(H2SO4)による劣化が問題となるコンクリート製下水管路において、沿岸部では管路内に海水が流入する可能性があることから、硫酸と海水の混合溶液によるコンクリートの劣化が懸念される。本研究は、コンクリートが接する酸性溶液にSO42-やCl-などの異種アニオンが共存した場合の複合的作用による「セメント系材料」および「ジオポリマー系材料」の劣化現象について、微視的な観点から劣化メカニズムを明らかにすることを目的とした研究である。分析には、主に電子線マイクロアナライザを用い、元素の面分析データから、セメントおよびジオポリマー硬化体内に存在する物質の面内分布状況を、視覚的に分かりやすく表現し、劣化メカニズムを解明する。

以上、科学研究費助成事業における研究者として当センターの職員19名が登録されましたことと、令和4年度の研究助成に上記の研究課題が採択されましたことを、ご報告いたします。
これからも、今まで以上に各職員の研究活動を充実させ、当センター全体の技術レベルの向上へつなげて参ります。

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